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 上手くない部分を嫌味なく出すっていうのが民生くんの才能ですよね。プロで30年、40年やってる人なら、上手いのが当たり前だし、民生くんはそこから先の味の部分で勝負してる。だから一緒にやってて楽しいですよね。

楽しみながら音楽を長く続けられる理由は……?

――民生さんはソロ30周年、おふたりはデビュー35周年を迎えましたが、みなさんずっと音楽を楽しんでますよね。

YO-KING そんなに根を詰めてやってないからね。漫画を読んだり、映画を観たり、いろんな楽しいことをしながら、レコーディングして、ツアーをして。ゴルフもやるし、スキーもやる。民生くんもそうやって音楽以外のことで遊んでるから、ずっと続くんじゃないかと思いますよ。他のことでめちゃくちゃ遊んでると、ギター弾きてえ、歌いてえって思うもんね。そこに持っていくのがすごく大事なんです、飢餓状態に。

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――やりすぎないことが大事だ、と。

桜井 僕はもうちょっとやってもいいですけど(笑)。そこは違う感じがちょっとあるなって。

――価値観の違うふたりだからこそ、真心ブラザーズは長く続いているのかもしれませんね。

YO-KING もちろん。みんなそれぞれだから。ほっとく力も大事ですよ。人は人、俺は俺って。自分の場合は、音楽で食ってるからには芸人っていうのかな。これで稼いでなかったら芸術家って言ってもいいかもしれないけど、お客さんを喜ばして、それでお金をいただいてる以上、自分は音楽芸人だと思ってて、喜んでもらうことが自分の喜びだと感じるように年々変わってきた。

 昔は自分が楽しけりゃいいと思ってたし、いまも自分が楽しむことが最上位にあるんだけど、お客さんを楽しませるとか、友だちを楽しませるとか、一緒に音を出してるミュージシャンを楽しませるとか、それが無性に面白くなってるんですよ。音楽をやる楽しさの種類が変わってきた、だから飽きない。なんならもうちょっと売れることで、事務所を喜ばすみたいな(笑)。そこが長く続けられる、ひとつの柱になってますよね。

撮影 三浦憲治

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