でも、「肌が白くなりたいからアルビノになりたい」というのは、ちょっと違うんじゃないかなって。
私は、アルビノをやめられるなら今すぐやめたいです。肌が白い以上に、視力が極端に悪いとか、日光に弱いとか、大変なことの方が多いですから。
「アルビノはかわいそう」という世間の偏見に思うこと
――それでも、ご自身の状況を「大変だとは思うけど、不幸だとは思わない」とおっしゃっていましたね。
りり香 「アルビノになりたい」と同じくらい、「アルビノはかわいそう」というコメントも、よくいただきます。障害がある分、健常者よりは苦労する場面が多いのは事実です。
でも「人生楽しくなさそう」という意味で「かわいそう」とコメントしているのだとしたら、「そんなことはない!」と声を大にして伝えたいですね。
――今後はどんな発信をしていきたいですか。
りり香 アルビノの当事者として、「アルビノは白いだけじゃない」ということは引き続き発信していきたいです。
アルビノといっても、症状の出方は人それぞれ。私は色素がまったくないので、真っ白な髪の毛をしていますが、少し色素がある方だと、薄い茶色の髪の毛の人もいます。同じように、肌の色や目の色、視力の程度や光の耐性も人それぞれ異なります。
そして1人1人違う人間だから、性格も価値観も全然違います。「アルビノ」ではなく「1人の人間」として、私たちを受け入れてくれる人が増えると嬉しいです。
目が見えるうちに挑戦したいこと
――最後に、これから挑戦したいことなどがあれば教えていただけますか。
りり香 私個人としては、目が見えるうちに綺麗な景色をたくさん記憶に焼き付けておきたいし、緑内障が進行すると乗れなくなると言われている、ジェットコースターにもたくさん乗っておきたい。
あと、行きたい国もたくさんあるんですよ。そのために、外国語も勉強しています。今は中国に行きたくて中国語を勉強していますが、韓国にもタイにも北欧にも行きたい!
近い将来、私の目は見えなくなるけど、楽しいことや挑戦できることがこの先もたくさん待っていると信じています。どんな環境に置かれても、死ぬまで自分の人生を楽しみ続けたいです。
撮影=細田忠/文藝春秋