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膨大なデータをコツコツとやりくり
深緑:『ゴジラ-1.0』では莫大な量のCGを使われたと思うんですけど、レンダリング(3D空間で作成した情報を計算によって2Dに画像化する工程)はどのようにクリアされたのでしょうか? インタビューで、1ショット1テラバイトに達する場面もあったと仰っていましたよね。
山崎:1テラじゃない、5テラですね。
深緑:5テラ!
山崎:その辺りの予算感を気にせずにやりたい放題やるスタッフもいるので、えらいことになっちゃいました。ただ、そういうゴージャスなショットがあると映画全体のクオリティが上がるので、まあしょうがねえやと思いながら……。
深緑:ちなみに5テラのシーンってどこですか?
山崎:海神(わだつみ)作戦を開始する前にゴジラが熱線を撃ったら、巨大な波が起こるんですけど、あそこじゃないかな。船が一度波に持ち上げられてザバーンとなるところがあるでしょう。
深緑:それは波の量というか、水しぶきの量が凄かったのでしょうか。
山崎:そうです。他にも5テラにいったシーンはありますが、とにかく、とてつもなくデカいものが海で好き放題動くと、もう大変なことになる(笑)。だから、レンダリングしたら消す、レンダリングしたら消す、の繰り返し。“こういうシミュレーションをかける”という基本情報のデータだけは残して、あとはコツコツうまくやりくり上手なことをしながらですね。