古荘頭取が辞意を表明
4月11日、「横銭発言」の取り扱いで午前中の国会審議はほとんどストップ。衆院大蔵委員会理事会が森脇将光の証人喚問を決定する一方、自民党は横銭議員を懲罰委員会に付す方針を決めた。同日午後、古荘頭取は一万田蔵相と会って辞意を表明(12日付日経朝刊)。12日には千葉銀行の緊急取締役会で退任が決定した。
本人は「世間を騒がせ、銀行に迷惑をかけた責任を痛感した。自民党幹部と会った事実や政治献金などはない」と述べた(13日付朝刊各紙)。日経は13日の社説「金融機関の信用保持」で事件について触れ、「徹底的に究明する必要がある」と主張した。
そして4月15日――。
千葉銀行問題で証言 衆院大蔵委 法相・古荘氏ら会合 “蔵相親書”も認む 森脇証人
衆院大蔵委員会は15日、10日の同委での「横銭発言」に関し、唐沢法相、川島自民党幹事長が一身上の弁明を行い、次いで証人として出席した金融業者、森脇将光氏に対する質問が行われた。唐沢法相は、古荘千葉銀行頭取とは会ったこともないと弁明。川島幹事長は会ったこともないし、自民党に対して政治献金が行われたこともないと述べた。一方、森脇氏は3月に東京・(日本橋)中洲の料亭「喜可久」で唐沢法相、正力国務相、古荘頭取、中山貞雄氏(元衆院議員)が会合。古荘頭取が1000万円の手形を振り出し、現金900万円を受け取ったが、それを献金したかどうかは明らかでない、などと証言した。(同日付朝日夕刊1面トップ)
同じ15日、東京地検特捜部は詐欺の被害者として古荘前頭取から事情聴取。16日には坂内ミノブを釈放した。17日付朝刊で朝日と毎日は、特捜部は再逮捕も検討したが、事件が“政争の具”となっているため、任意で捜査を続けることになったと報道。野村(佐太男)東京地検検事正は読売で「捜査は引き続き行う。今後少しは支障もあるが、やむを得ない。その他は一切ノーコメントだ」と語った。
朝日の「解説」は「特捜部の調べは、坂内社長の単なる詐欺容疑の追及ばかりでなく、千葉銀行側の融資をめぐる疑問にも向けられ、場合によっては銀行側の特別背任容疑も考えられる事態となっていた」と書きつつ「今後の捜査困難に?」の小見出し。さらに、毎日は「『千葉銀事件』シリつぼみ?」が脇見出し、日経も社会面トップで「『レインボー事件』しりつぼみ」を主見出しにした。
既に16日付読売夕刊コラム「よみうり寸評」は「事件が政治利用される」ことについて「どうもシロウトにはわからない。サギや不正融資の有無を明らかにすることは、国会にも政治にも関係のないことではないか」と述べていた。