「私がこれまでチャレンジしたことのなかった世界に真っ向から“挑んだ”作品です」
官能描写の激しさから、長らくドラマ化は困難とされてきた村山由佳さんの『ダブル・ファンタジー』が、水川あさみさん主演でWOWOWで放送される。中央公論文芸賞、島清恋愛文学賞、柴田錬三郎賞、と文学賞三冠達成の原作はいま読んでも衝撃的だ。
悩み、傷つきながらも夫以外の男性たちと関係を持ち、自らの生きる道を懸命に模索する主人公・高遠奈津(たかとおなつ)を、水川さんは体当たりで演じている。
「セクシャルなシーンを演じたことはありますが、本作はとびきり官能描写が激しくて、お話を頂いた時には果たして私で務まるのかと不安でした。でも反面、こんなチャンスはない! とも思いましたね」
原作に惚れこんだ御法川(みのりかわ)修監督からは「女性らしい女性、“女性の神話”を撮りたい」と細かな指示があったという。
「監督の思い描く奈津よりさらにいいものを、という気持があったので、現場で歩み寄りながら作り上げていった感じです。奈津は一筋縄ではいかない女なので(笑)、大変でした。自分の気持に嘘がつけない、素直でありたい。だからこそ自身も苦しむ。その真っすぐな姿に打たれます」
原作文庫の上巻オビはクールビューティなアップ写真、下巻のオビは一転、ヌーディかつセクシー。男性ファンは書店で「ジャケ買い」では?
「どうなんでしょう? もしそうなら嬉しいですね」