「富士山をイメージした」なんだか“山っぽい”駅舎を尻目に大通りに沿って歩く

 北側に新幹線のホーム、南側に在来線と伊豆箱根鉄道のホームが並ぶ三島駅。ホーム下の通路を抜けて南口の駅舎を出る。緩やかな長いカーブが特徴的な駅舎の意匠は、富士山の裾野をイメージしたのだとか。

 

 そんな立派な駅舎の前の広場には、平日の日中というのにたくさんの観光客で溢れかえっていた。

 ベンチに腰掛けてひと休みしている人もいるし、デカい荷物を抱えている外国人観光客も多い。周囲を見渡せばホテルもいくつか見えて、観光都市の駅前風景そのものだ。

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 そんな三島駅前から南東に下ってゆく大通り。カラオケ店やらおなじみのチェーン店が並ぶこの道を進み、かつて小松宮彰仁親王の別邸だった三島の景勝・楽寿園と白滝公園の間を抜けてさらに下る。駅前から15分歩いたあたりで、ひときわ活気のある通りにぶつかった。

 

 クルマ通りも人通りも多く、道沿いには飲食店から何から主要なものがひととおり揃っている。地元の人が日常生活で使う店も、また観光客が並ぶようなカフェも、この道沿いだ。

 

 三島大通り商店街とも言われるこの東西の道が、実質的な三島のメインストリートなのだろう。

 西に進むと伊豆箱根鉄道駿豆線の踏切が見えて、傍らには三島広小路駅がある。反対に東に行けば、三島のシンボル・三嶋大社。かの源頼朝が打倒平家の戦勝祈願をしたという古社だ。

 

 実は、かつて三嶋大社境内の池にはウナギが生息していた。ただ、そのウナギは神さまの使者だから、決して捕まえて食べることは許されなかった。食べたらバチがあたる、というヤツだ。