5/6ページ目
この記事を1ページ目から読む
旧東海道の宿場町は、いまも活気の中にある。色とりどりの店が並び、広小路駅前の線路に並行する道沿いの風景などはまさにザ・私鉄沿線。例えるならば東急池上線の駅前のような、下町めいた賑やかさを持っている。
“東急池上線の駅前のような「三島」の町並み”を歩いているとやたらと目にするものが…
そして、こうして町中を歩いていて目に留まるのは、小さな川があちこちを流れていることだ。
広小路と三嶋大社の間にも、わずか500mで2つの小川を渡ることになる。三島駅近くの白滝公園も水辺の公園だし、楽寿園の中にも池がある。
東に少し離れれば大場川があるし、西側にも境川。ほかにもいくつもの小川が町の真ん中を流れているのだ。こうした事情をもって、三島は「水の都」と呼ばれることもある。
三島が豊富な水に恵まれているのは、富士山のおかげだという。
有史以前、というかはるか昔の1万年ほど前の富士山噴火で溶岩が現在の御殿場線ルートを約30kmも流れ流れて三島までやってきて固まった。いわゆる三島溶岩流といい、その地盤は水をよく通す。
そのため、富士山に降った雨雪が地中に浸透すると、伏流水として三島溶岩流の地下をつたい、三島の町の中で湧き出してくるのだ。それが、三島の町中を流れるいくつもの小川なのである。



