1キロの区間を外れると金シャチは途端にいなくなる
柵の全ての支柱に金シャチがいる訳ではなく、柵の端や交差点に近い支柱になると金シャチの代わりに反射素材が設置されていることが多かった。
中には金シャチが折れてしまっていたり、外れてしまったものもあった。往復2キロを歩いてくまなく数えたところ、西側に104個、東側に136個、計240個の金シャチが現存し、破損したり外れたものを合せると合計269個となった。
そして、この1キロ間を外れると途端に金シャチはいなくなる。
国道19号から分岐する高岳交差点は国道41号の起点にあたる。国道41号の起点から1キロの間にのみ、大量の金シャチが存在することが改めて明らかとなった。謎は解明されるどころか、さらに深まってしまった感じだ。
あとは近隣住民に聞き込みするしかない。電気屋、レンタカー店、教会、囲碁の会館、着付け教室、喫茶店、花屋、寺院、料亭、金物屋など、手当たり次第に訪ねて聞いていく。
しかし、これといった手掛かりは得られなかった。
ただ、皆さん「気が付いたら(金シャチが)付いていた」という点は共通していた。金シャチについて多くの方が認知し、愛着を感じているが、いつ付いたのかを正確に記憶している人はいなかった。
30年以上前からこの場所で果実店を営むモリムラフルーツの森村恵実子さん(75歳)によると、「名古屋高速ができたあと、気づいたら金シャチがあった」という。
また、「昔から岐阜のほうに行く街道だったから、そこにクスノキがあるでしょう。だから、ここを通って名古屋城に行く人もいたんじゃない?」ともおっしゃっていた。








