田んぼの中に野ざらし角栄像のナゾ

 田中角栄の事績について詳細に語ることはここではしない。ただ間違いないことは、浦佐駅のある南魚沼市(旧大和町)はかつての田中王国、新潟三区に含まれていたということだ。

 

 そんなところのお客の少ない存在自体がナゾめく新幹線駅・浦佐駅。駅前に立つ田中角栄像。やっぱり何かあるのでは、もしや角栄センセが強権を振るってこの駅に新幹線を停まらせたのではなかろうか。いやはや、戦後政治の闇は漆黒である……。

 

 浦佐駅前の田中角栄像は、1985年10月に除幕された。上越新幹線が開業したのは3年前の1982年。1985年10月には新幹線と同じく角栄の辣腕によって建設された関越自動車道が全通している。

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 そうした角栄の功績を記念して、後援会の越山会が中心になって2億円の募金を集めて建立したのが、浦佐駅前の銅像なのだ。

 

 ちなみにこの銅像、最初は雨ざらし、雪ざらしだったのだが、2005年に屋根が架けられた。「パパが寒がってる!」と、息女の田中真紀子氏の鶴の一声だったとか。

 それはともかく、浦佐駅は本当に田中角栄による角栄のための駅なのか。