50メートルプールを20往復

 運動もよくしていた。容姫は水泳、サイクリング、乗馬を楽しんでいたと藤本は書き残している。たとえば、東海岸の都市、元ウォンサン山にある招待所(別荘)には巨大プールがあった。

 正真正銘の50メートルプールを埋め込んだ全長80メートルの船で、高さ10メートルほどのウォータースライダーが2台取り付けられていた。それが元山招待所の埠頭に横付けされていた。日本の豊島園あたりのプールを参考にして造らせたと思われる。慢性的な食糧難の国内とはまったく異質な世界である。

 プールサイドには金正日や容姫が泳いでプールを往復した回数をカウントするデジタル掲示板まであった。容姫は20往復をいとも簡単に泳ぎ切り、息が乱れない優れたスイマーだった。2人がプールで潜水競争をしたことがある。金正日は28秒しかできなかったが、容姫は1分50秒も潜っていた。

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 藤本は、このスーパープールは、金正恩が命令して造らせたと明らかにしている。「将軍様の命令には絶対服従なのだ。ありとあらゆる手段を講じて、金正日のお眼鏡にかなうものを差し出さなければならない」(『金正日の私生活』)という。

次の記事に続く 「将軍様に私からお話ししておきましょう」封筒には5000ドルが…“金正日の料理人”だった日本人が語った、金正日の妻からの“まさかの気遣い”

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