「ストリッパーになります」退職を伝えた女性上司の反応とは?

――仕事を辞めることへの不安はなかったですか?

宇佐美 正直、それは全然なかったです。本音を言うと「最悪、コンサルに戻ればいいだろう」と思ってました。コンサルは出入りが激しくて、競合他社に転職したけどやっぱり戻ります、みたいな人も結構いるんですよ。

 さすがに貯金も少しはあったので、しばらくは何とかなるだろうと思っていました。

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――辞める前に、周りに相談はしましたか。

宇佐美 一切してないです。周りに言ったら自分の選択の純度が下がる気がしてイヤだったんです。だから誰にも相談せずに決めました。

 会社の人にも特に理由は言わずに退社して。ただ、すごくお世話になった女性の上司がいて、その人とは信頼関係があったので、辞めるときに「ストリッパーになります」と伝えました。私がストリップ劇場に通っているのも知っていたので。

 その上司は「ストリップ好きだったもんね。さみしいけど、頑張って。もし戻ってきたくなったら私に言ってね」と送り出してくれましたね。

「私がまだコンサルで働いていると思っています」両親にストリップのことを言えないワケ

――ご両親はコンサルを辞めることに反対しませんでしたか?

宇佐美 実は、今も両親には言ってないんです。

――えっ、今も?

宇佐美 ストリッパーになって7年目になるんですけど、両親は私がまだコンサルで働いていると思っています。

 たまに実家に帰ると、「最近、仕事はどう?」って聞かれるんですけど、「この間マネージャーになったよ」とか適当なことを言ってやり過ごしています(笑)。

 

――ご両親には言いにくいですか。

宇佐美 特に母親が、性的なことに嫌悪感を抱くタイプなんです。だから、私は子どもの頃から性に関して抑圧されていた部分もあって。

 例えば、家族でドラマを観ていてキスシーンになったら、お母さんが黙ってテレビを消す、みたいな。

 下ネタっぽいことを家で言おうものなら、「どこでそんなことを覚えたの?」とお母さんに詰められて、汚らわしい、みたいな目で見られるんですよね。だから、親にはストリップのことを言えてないですね。

撮影=細田忠/文藝春秋

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