将棋界を牽引する若き天才、藤井聡太七冠。その師匠である杉本昌隆八段が、“最強すぎる弟子”のエピソードをはじめ、楽しくトホホな日常を「週刊文春」で綴った大人気エッセイ集の第2弾『師匠はつらいよ2 藤井聡太とライバルたち』(文藝春秋)。
その中の一篇「運転下手な師匠」(2023年7月13日号)を転載する。
(段位・肩書などは、誌面掲載時のものです)
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あの藤井聡太がまさかの毒舌⁉
名人を獲得後、その存在感を増し続ける藤井聡太七冠である。
現在20歳だが、その落ち着きぶりに驚くばかり。何げない発言も深い計算に基づいており、人に対して失礼なことなど決して言わないのだ。
「師匠は車の運転が下手」
最近飛び込んできた記事での発言。いやちょっと待て藤井君、キミ師匠に対して失礼じゃないか⁉
記事を読むと、将棋ソフトの開発者の方との対談で、車の自動運転の話。なぜか私の運転に言及している。いや、私関係ないでしょう。
実際、私の運転は決して上手いわけではない。とはいえ、自覚もあるので、リスクを減らすために最大限の注意を払っている。
「藤井君、遠回りだけど、安全にこちらを通るから」
いつもこうだ。だから、藤井七冠を危ない目に遭わせたことは一度も無い(主観)。ファンの皆さん、そこはご安心いただきたい。
藤井七冠の真意やいかに
冒頭の台詞。藤井七冠は将棋界を盛り上げようと、何かを仕掛けてきたのか? よし、受けて立とう!
「藤井聡太はキノコを食べるのが下手」
あんなに美味しいものが苦手? それは下手だね。
さあ本誌の特集記事で、師弟の骨肉の争いが掲載される日は来るのだろうか。
真面目に考える。おそらく彼の真意は別のところにある。やはりあれか? あれが原因なのか?




