足を踏み入れた途端に“昭和感”が…

 さっそくその商店街の中へ歩を進める。入口の近くには、「マウント劇場」という看板を掲げ、それでいてシャッターの降りた大きな建物がある。

 なんでも、かつては映画館だったという。

 

 ひと昔前、昭和の時代にはどの町にも映画館があった。そんな時代の面影が、御殿場駅前に残っている。

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 マウント劇場の脇の路地に入ると、スナックの類いが集まっている裏道に出る。マウント劇場に昭和の面影を感じたが、小さいながらもスナック街があるあたりもまた、昭和の空気感。

 

 訪れたのが昭和とは正反対、酷暑の令和の真っ昼間だから情緒を感じるようなことはなかったが、駅前にこうした一角があるあたり、往年の御殿場駅の賑わいを察することができるというものだ。

ナゾのエリア「新橋銀座」も

 マイロードを西に抜けた先には、県道153号線が南北に通る。この道沿いにも商店などが点在していて、2車線道路ながらクルマ通りも多い。

 御殿場の古くからのメインストリートといったところだろうか。

 

 少し南に歩くと、新橋浅間神社という赤い鳥居の立派なお社もある。鎌倉時代初期に源頼朝が富士の巻狩をした折に創建されたとも伝わる古社だ。

 

 ちなみに、この神社の名にある「新橋」は、御殿場駅を含む駅前一帯の町名だ。

 その中には「新橋銀座」なるエリアまで。東京の新橋や銀座とは比ぶべくもないけれど、御殿場駅に紐付く古くからの市街地であろうことはよくわかる。

 

 新橋浅間神社の西側には昭和通りと名付けられたこれまた比較的交通量の多い通りが南北に走る。

 ところどころに居酒屋やビジネス旅館があったりするから、御殿場駅前エリアの繁華街の一端なのだろう。

 

 そんな中、どうしたって気になるゾーンがある。路地を入った先の「御殿場新天地」という一角だ。