原菜乃華こそ朝ドラヒロインにふさわしい。そんな待望論が出はじめたのは2025年の5月頃だった。朝ドラこと連続テレビ小説『あんぱん』(NHK)は5月、原が演じるメイコが活躍するターンに入っていた(詳しく書くと第32回頃)。

原菜乃華 ©時事通信社

「朝ドラヒロインらしい」メイコのモデルはメロンパンナちゃん

『アンパンマン』の作者・やなせたかしの妻・暢をモデルにした主人公が夫を支えて稀代の名作を生み出す軌跡を描く物語。そのなかで原が演じているのはヒロイン・朝田のぶ(今田美桜)の妹で、朝田家の三女で末っ子のメイコ。彼女はあるときのぶと幼馴染の嵩(北村匠海)の仲を取り持とうと画策をはじめる。

 おせっかいで健気でピュアでちょっとドジっ子、無垢でキラキラしているメイコは従来の朝ドラヒロインらしい属性だ。だからといって決して今田美桜演じるのぶが朝ドラヒロインに向いてないということではない。

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 のぶが『あんぱん』で担っていたのは、正解がわからず迷っている主人公であり、いわゆる従来の天真爛漫な清純派ヒロインとは違う方向性だっただけなのだ(その後、軍国主義に走り、戦後、激しく後悔するところも含め)。

 のぶのモデルは『アンパンマン』のドキンちゃん(アンパンマンの敵・バイキンマンをいつも困らせているわがままキャラ)でもあり、主人公にしては陰がある分、メイコのまじりっけのない明るさ、真っ直ぐさにホッとする視聴者は少なくなかっただろう。例えるなら、玄米ご飯より白米がやっぱりいいんだよなあというような感じ。ちなみにメイコは『アンパンマン』では「だれでもメロメロになる」メロンパンナちゃんがモデルらしい。

『あんぱん』のヒロインオーディションを受けていた原。もし彼女が受かっていたら、どんなのぶになっていただろうか。