おや? 市役所前に金色の銅像が…

 工業地帯としての茅ヶ崎は、いまも残っている。東海道よりさらに北、相模線北茅ケ崎駅付近には大小の工場がひしめく。

 茅ケ崎駅近くの東海道以北には市役所や文化会館、公園、イオンなどが集まっている。工場の跡地を再開発して生まれたエリアだ。

 

 そんな市役所の前の広場に、黄金の像が建っていた。近づいて見ると、その若大将・加山雄三の像だった。

ADVERTISEMENT

 

 加山雄三は幼少期からデビュー後、結婚までを茅ヶ崎で過ごしている。1961年に東宝の若大将シリーズがスタートし、加山雄三も歌手デビュー。この頃にはサーフィンも日本に普及し、そのメッカとして茅ヶ崎は地位を上げてゆく。

 それに先立つ1950年代には、石原慎太郎の『太陽の季節』のヒットも相まって、“湘南”が一定以上のブランド力を獲得していった。

 茅ヶ崎は、間違いなくその中核を担っていた。駅南側の海沿いエリアは、戦前の保養地・別荘地から庶民的な行楽地となって発展してゆく。

 

 かつて地引き網漁が行われていた漁場はサーファーで賑わい、東京近郊で手軽にマリンスポーツを楽しめる地として知名度を高めた。

 バブル崩壊後にはやや来訪者が減ったものの、1999年に100年来の海水浴場を「サザンビーチちがさき」に改称してからは再び持ち直す。