コーチェラに日本人女性グループとして初出演という偉業

 3人はこのチームとともに最初は難しいと思われた夢も次々と実現していった。なかでも長年追い続けてきたのが世界とつながるという夢だ。発端は2011年、アメリカのピクサー制作のアニメ映画『カーズ2』のオリジナルサウンドトラックの1曲として「ポリリズム」が使われ、そのワールドプレミアに出席するため渡米したことにさかのぼる。

 このとき現地で「ぜひこっちでライブをやってほしい」という声を聞いたことから、3人は海外でもライブをやろうと決意。2012年には世界進出のためレコード会社も移籍する。同年には初の海外単独ツアーとしてアジア4都市をまわり、翌2013年にはヨーロッパツアー、さらに2014年の海外ツアーではアメリカのロサンゼルスとニューヨークでライブを実現させた。

Perfume公式Xより

 海外公演でのセットリストは当初、現地向けにつくっていたが、回を追うごとに日本でのツアーとほぼ同じものへと変わっていく。MCも英語でやるけれども、乗りは日本語でのMCと変わらないまま、各国のファンを沸かせるようになった。

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 2019年には、世界最大級の野外音楽フェスであるコーチェラ(Coachella Valley Music and Arts Festival)に日本人女性グループとして初めて出演する。2週にわたって行われるコーチェラの第1週が終わった直後には、アメリカの音楽雑誌『ローリングストーン』が160組におよぶ全出演アーティストから選ぶ「コーチェラ2019の見るべきベスト16」にも入った。

 Perfumeにとって「史上もっともアウェイ」として臨んだステージを終え、帰国後、《コーチェラは特に持っていくものが限られる環境なので、相当な部分がアナログかつイチかバチかの勝負でした。でも、そのパッションが伝わったのか、どんどん人が増えて、最後は最高の盛り上がりに。「日本の“カッコいい”が世界へ」と感動しながら踊ってました》とあ~ちゃんは振り返っている(『anan』2019年7月10日号)。