松尾 そうですね。僕からしても「セカンドキャリア支援」ってうたっている以上、やっぱりモデルケースがいくつか必要なんで。上手くいけば僕の会社としても助かるな、っていうのもありますし。

「芸人時代より仕事がある」

――めちゃめちゃしっかりしてるなあ! かなり忙しくしてるんだね。

松尾 まあ芸人時代よりは仕事がありますね。

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――はっはっは! いやザブングル時代も忙しかったでしょ。でもまあ、そうやって人脈の広いところが求められているのかな。

松尾 お酒が好きで、ただただ飲み歩いてただけなんですけど。いまとなっては付き合いの多さに助けられてると言うか。ラッキーなことに、芸人を辞めたら手を差し伸べてくれる人がめちゃくちゃ多かったんです。

そもそもなぜ芸人に?

――それは人望だから。お酒の飲み方が汚いとそうはならないよ。改めて芸人になった経緯も聞くけど、もともとは名古屋吉本の出身なんでしょ?

松尾 そうです。名古屋のNSC(吉本の養成所)を出ただけなので、丸1年いただけですけど。「スピードワゴン」さん、「スギちゃん」さんとかの3期下です。元相方の加藤君とはその養成所で知り合って、

 コンビを組んですぐに上京して。1年くらいフリーでやってて、渡辺プロダクション(のちにワタナベエンターテインメント)に入れてもらいました。

――「ザブングル」って出世が早かったよね。

松尾 それ、めちゃくちゃよく言われるんですけど、そんなことないんですよ。たぶん、相方のインパクトが強いっていうのがあるんですけど、あいつテレビとか出るぜんぜん前から街で「前に三軒茶屋で自転車こいでましたよね」って声かけられたり。

――すごい! 確かに1回見たら覚える顔してるけど。

松尾 ちゃんとお笑いで食べていけるようになったのは30歳手前ぐらいです。2007年に「M-1グランプリ」の決勝に行けたんですけど、一気に仕事が増えたのは、そこからですね。1998年に上京してきて、2006年ぐらいまでは家賃3万5千円の風呂なしアパートに住んでましたから。

――東京で3万5千円は相当安いね。

松尾 相方なんて家賃1万6千円のとこに住んでましたよ。

――安っ!

松尾 宝箱を開けるみたいな、古くてごっつい鍵持ってました。

――ははは!「すべらない話」(※フジテレビのお笑い番組)でも言ってたやつだ。

松尾 2007年以前もテレビに出してもらったことはあったんですけど、月に1~2回とか単発で。結局そこから派生してレギュラーの仕事をもらえたり営業が増えたりしないと、若手芸人の収入って増えないですから。

――ザブングルが決勝に行った、2000年代半ば~後半のM-1って、決勝のメンバーはほぼ吉本の芸人だったよね。吉本以外は1組か、いて2組ぐらい。

松尾 僕らが決勝に行った2007年もまさにそうで。唯一、僕らだけが吉本以外の芸人だったんで、かなり注目されてたんです。でもいざ決勝戦当日フタを開けてみたら、敗者復活から勝ち上がってきたのがあの「サンドウィッチマン」ですよ。

――あの年か!