松尾 それもありますし、もっと言うと「芸人なんだから、そんなの関係ねえ」って、ちょっと強気に思ってたんですよ。でもいつの間にか「なんかビクビクしてるな」っていう自分に気づいてしまって。そうなってくるともう、解散とか引退の方向で考えるようになっちゃったんですよね。
――僕と松尾君はお笑いを始めた時期が近いから。その世代の芸人で「こんなに窮屈だったっけ?」っていう人は少なからずいるよね。やっぱり。
松尾 改めて冷静に振り返ってみると、理由はそんな感じです。自分の年齢的なことも、もちろんあるんですけどね。
――最初は「コンビとしての活動を辞める」っていうことが頭に浮かんだ?
松尾 そうですね。それがいちばんです。それで「コンビ解散」ってなったらやっぱり事務所も辞めますし。そこが「引退」って解釈されて報道されちゃったんですけど、僕としては「まあ、どっちでもいいか」っていう感じでした。
――「芸人」っていう肩書きに、こだわりはなかったの?
松尾 ぜんぜんないです。驚いたことに、辞めてからの方が取材とか増えましたからね。不思議なもんですよ。ネットニュースなんか、ぜんぜんなったことがなかったのに。辞めてから急になりましたから。
コンビを解散して後悔は…
――コンビを解散した後悔とかは、特にない?
松尾 ぜんぜんないです。
――あははは! 即答。
松尾 そこはもう、しっかりと話し合ったので。
――なるほど。いまここで後悔を感じてたら元相方に申し訳ないもんね。じゃあコンビ時代に、「もうちょっとこういう風にやっとけばよかったな」みたいなことってある?
松尾 何だろうなあ……ああ、ひとつだけ。やっぱりお酒飲み過ぎてましたよね。
――あっはっはっは! でもお酒大好きでしょ。
松尾 僕って「コンビのちゃんとしたほう」に見られてたんです。しっかりしてそうに見えるというか。ただ、実際はそうでもなくて、深酒して遅刻したり。もちろん遅刻はよくない、申し訳ないっていう気持ちはあったんですけど。逆に言えば「遅刻さえしなきゃいい」って思ってたところがあったんですよね。だから移動のロケバス内でも、酒臭いまんまずっと寝てたりして。「あれ、あんまりよくなかったな」って、最近思いますね。
――最近、なんだ(笑)。
「ロケバスは睡眠場所だと思ってた」
松尾 そのときの考えが「間に合えばオッケー」だったので。ロケバスでの移動時間は、完全にクールダウンの時間だと思ってました。でもベテランの、ロケが得意なタレントさんのインタビュー記事なんかを読むと、ロケバスからちゃんとやってらっしゃるじゃないですか。
――共演者やスタッフさんとしゃべって空気を暖めて、本番でやりやすい空気作ったりね。はじめて参加する若いタレントさんがいたら、緊張をほぐしてあげたりとか。
松尾 そういうの全くやってなかったんですよね。ロケバスは睡眠場所だと思ってたんで。
――あっはっは! 寝てたら現場に運んでくれるから。
松尾 いま思えば「ちょっと違ってたな」って最近思います。
――深酒はいまもやめてないんでしょ?
酔って転んで顔に怪我をして
松尾 全くやめてないですね。この前も酔って転んで顔に怪我してて。気づいたら家で寝てたんですけど、朝起きて鏡を見たら顔面血だらけで、そこで気づいたんですよ。
――めちゃくちゃ酔ってるやん! だって顔からコケたってことは、ガードする手が間に合ってないってことでしょ?
松尾 そうなんですかね? ちょっと覚えてないんで。
――心配になるって!
松尾 でも、えらいもんで無意識に仰向けで寝てたから、ベッドは汚れてなかったんですよ。
――えらいもんでもないって! 飲み過ぎには注意してよ。じゃあいまの若い芸人に、なんか松尾君からできるアドバイスとかある?
