最初の逮捕で新聞見出しは「今年最高量が出た」

――最初の逮捕が22歳でしたよね。

廣瀬 5年ぐらい売人をやっていたから、さすがに内偵ビッチリ入ってたみたいですね。

 捕まるちょっと前から、何となく変だなと思ったけど、先輩からは「モノさえ出なきゃ大丈夫だから」って。大体朝方にピンポンが来るから、必ずトイレに流すとか、お風呂に入れて溶かしちゃうとか。「絶対モノが上がらなければ大丈夫だから。お前は初犯だし大丈夫だから、ピンポンだけは気を付けて、来たらすぐ流しちゃえよ」って教わっていて。

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 そうしたら、その日に限って泊まっていた友達が夜中にカギを開けっぱなしで出ちゃったみたいで。朝起きたら警察が勝手に部屋に入ってきて。私が寝ているベッドの周りにびっしり並んでるんですよ。だから捨てる暇なんてなかったです。100グラムの覚せい剤がボンって出ちゃったし、何百本って注射器はあるし、大麻なんかも出てきちゃって。

 逮捕のことは新聞にも出たんですけど、「今年最高量が出た」って見出しで。

北関東で名を轟かせたレディース「魔罹啞(マリア)」の総長を務めた廣瀬伸恵さん

――初犯とはいえ「今年最高量が出た」となると……。

廣瀬 求刑7年の、判決5年。罰金は100万円か200万円。営利目的なので執行猶予はつかなかったんです。後輩とかも毎回裁判の傍聴に来ていたから、カッコつけて「こんなの上等だよ!」ってイキってたのもあって非常に重かった。

――心証、ドチャクソ悪いですよね。

廣瀬 「おう、5年ほど行ってくっからよ」なんてカッコつけてたけど、中に入ったとたんに「5年か……」ってなりましたね。

「刑務所にいる女子をみんなシメ上げてやろう」

――どちらの刑務所へ。

廣瀬 栃木です。

――なんだかんだ入る時はビビりましたか。

廣瀬 「どんなところなんだろう」っていう興味はありましたね。で、制覇してやろうとも思ってました。刑務所にいる女子をみんなシメ上げてやろうと。

 そう思って行ったら、別世界で。規則はすごいし、服役者はおばあちゃんが多いし。

 私が思い描いていたような悪い人たちがいないんですよ。高齢化社会なのか、おばあちゃんとか、若くても気の弱そうな子ばかりで。最初の2週間いた工場でも、年上の人たちばっかりで、しかも看護師やってたりCAだったりとか。「こんな人が刑務所に入るの?」って、想像していたのとは違う世界だからビックリして。「ここは私が気合入れて来るところじゃないな」と思いました。

――そうした方々は、どんな罪で刑務所に。

廣瀬 大体シャブです。みんな男の影響ですよ。8人部屋だったら、半分以上はシャブ。これがおばちゃんクラスになると、売人をやってたとかになるんですけど。それもその界隈じゃ有名な売人で、芸能人とかに売ってたような。