ICカードと自動改札のおかげで、そして新幹線のきっぷすらスマホで買える時代になって、駅員さんと話す機会がとんと少なくなってしまった。せいぜい、タッチしたICカードがうまく反応してくれなかったときくらいだろうか。
だから、毎日電車に乗っていても、その駅が無人駅か有人駅かなど意識に留めることはほとんどない。もちろん、車いすを使っている人などは駅員さんがいなくて困ることはいっぱいあるだろう。だが、多くの人にとって駅員さんがいるかいないかはあまり大きな問題ではなくなっているのが現実なのだ。悲しいけれど。
けれど、かといって無人駅。その言葉から抱くイメージは、人里離れた山の奥や田園地帯のど真ん中にぽつんと佇む小さな駅だ。駅舎なんて立派なものはハナからないか、あっても古い木造のそれ。お客も少なければ列車もほとんどやってこない。無人駅は、だいたいそんなイメージだ。
都会のど真ん中に“ナゾの無人駅”
ところが、である。
なんでも、愛知県には都会の真ん中にありながらも無人の駅があるという。それも、名古屋駅からわずか20分足らずという場所に。いったいどんな駅なのか。ナゾの無人駅・勝川駅にやってきた。
東京でいえば中野くらいのポジション
勝川駅があるのは、名古屋市に隣接する愛知県春日井市だ。人口は約30万人という、なかなか大きな規模の名古屋市のベッドタウン。名古屋駅からJR中央線に乗って6つ目の駅が勝川駅だ。
東京になぞらえて東京駅が名古屋駅だとすれば、中野駅あたりといったところだろうか。中野区は人口約35万人のベッドタウン。春日井ともよく似ている……と言えなくもない。
名古屋の市街地を抜け、大曽根駅あたりではバンテリンドームが車窓にちらり。矢田川と庄内川を続けて渡り、いくらか車窓がのどかさを見せてきたところで勝川駅に着いた。川を渡るときからそのままに、高架のホームに滑り込む。

