有吉弘行「お前ら、売れてねえぞ」

吉田 でも頑張ったからって、最後のスタジオ収録に呼んでもらったんです。「ピーマンズスタンダードが、日本に帰って来ました!」って派手に呼び込んでもらって。こっちからしたら凱旋帰国じゃないですか。

 ふたりで「どーもー!」って元気よくスタジオに入って行ったら、そこのパネラーに有吉弘行さんがいたんですけど、僕らの浮かれた感じを見抜いたんでしょうね。

「おい、お前ら」「はい?」「売れてねえぞ」って。

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――はっはっは! そんなに直球で?

吉田 「お前らのこと、誰も知らねえからな」って、現実を突きつけられて。そこで「ああ……やっぱりそうなんか……」って。

――当時はいまほどSNSが盛んじゃなくてスマホも普及してなかったから、海外にいたら日本の反応がわからないもんね。

吉田 そうなんです。「大きいチャンスを掴み損ねた芸人は、そのあと最低7年、何もない」っていう説、知ってます?

――知らないなあ。7年も?

吉田 これは「オジンオズボーン」の篠宮さん(現在はコンビを解散し、ピン芸人「オジンオズボーン篠宮」として活動中)が言ってたんですけど。篠宮さん自身、若いころに地上波のコント番組でレギュラーに抜擢されて。それが跳ねなくて、そこからフジテレビの「THE MANZAI」っていう大会の決勝に行くまでに7年かかったらしいんです。だから「おいピーマン、お前らこれから7年潜るぞ」って。

――「潜る」って嫌な言葉やなあ。

吉田 そこから7年、本当になんにもなかったですね。

――じゃあそこからしばらくは、ライブに出たり、オーディションを受けては落ちての日々?

吉田 そうです。

――でも、「レッドカーペット」にしろ、 「(株)世界衝撃映像社」にしろ、ポンポンと決まったら次もすぐ何かあるだろうと思ってしまうよね。

吉田 本当にその通りで。「また何かあるやろう」と思って続けてたら何もないまま何年も経ってました。それであるとき、相方のみなみかわが「システマ」っていう、ロシアの格闘技を身につけたんです。呼吸法で痛みをゼロにするっていう。

――あれめちゃくちゃ面白いよね。プロの格闘家に体を殴らせたり、マッサージ師に足ツボを刺激されても呼吸で痛みをゼロにできるっていう。まあ、ゼロになってなかった気もするけど(笑)。