吉田 そしたら僕が店に入った瞬間、全員が固まって。「え? なんで?」っていう顔で。「呼んでないし、そもそも飛んで戻ってきた当日によく来たな」みたいな。そしたら、そのよんでくれた先輩が「実はみんなを驚かせよう思って、僕がよびました」ってネタばらししてくれて、そこでやっとみんなが和んで、とりあえず許してもらえました。

――みんなからしたら怖いよ。楽しく飲んでるところに飛んだADが来たら「え? 復讐?」って思うよね。「お前らさんざんコキ使いやがったな!」って。自分だったら一瞬覚悟するわ。

吉田 あっはっは! そう言われれば、「暴れに来た」と思われても仕方がない状況でしたね。まあ大阪が本社の会社なんで、「芸人のノリ」みたいなのもあって。そういう部分に救われました。

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「芸人を始めて後悔している」

――芸人を辞めたことを後悔することってある?

吉田 芸人を辞めたことに後悔はないんですけど、そもそも芸人を始めたことに後悔してる部分はありますね。

――えっ! どうして?

吉田 僕、39歳でADになりましたよね。まわりは20歳そこそこから始めてるんですよ。チーフADでも25歳とかで。そんな若者の下にいるオッサンなんか、向こうは気を遣うし、こっちも気を遣うし。いろんな現場でも、ものすごくやりづらそうなんです。だから過去に戻れたら、芸人を始める自分に「おまえ! やめとけ!」って止めたいですね。

――どうせ制作の世界に入るなら、若いころからやっておきたかったってこと?

吉田 そうなんです。ただうちの社長は「お前が芸人をやってた15年が活きるのはこれからだから。その期間に培ったものは決して無駄じゃない」って言ってくれてますけど。

――みんな優しいなあ。社長も理解があって、すごく暖かい会社で。

吉田 基本的にはそうなんですけど、やっぱり厳しいですね。