周囲に同調するように、私もおずおずとトートバッグから資料を取り出した。十数枚のA3用紙の左端がホッチキスで留められ、ちょっとした冊子ほどの厚みがある。前半はブルー、後半はピンクの用紙で色分けされ、それぞれに「男性リスト」、「女性リスト」という印字があった。要するにこの資料には、参加した親たちの息子、または娘の情報が掲載されている。

 年齢、続柄、身長、学歴、職業、資格、趣味、特技、勤務地、勤務形態、婚姻歴、宗教、喫煙の状況、一人暮らしの経験の有無、子どもの居住地、親の居住地、親から見た子どもの性格や長所、相手に望む年齢、相手に望む学歴、相手に望む人柄、結婚後の親との同居の可否と相当に細かい。

 資料に掲載された情報は事前に親が記入し、主催業者に提出した参加申込書に基づいている。むろん私も細かな項目をすべて記入した。2人の息子のうち長男のほうの代理婚活だが、参考までに概要を記載してみよう。

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 実際にはさらに項目があるのだが、ともかくもこうした情報が一覧になり、前半は「1~55」までの男性リスト、後半は「201~252」までの女性リストとして色分けされていた。男女の番号を合計すると107人、つまり親の人数とは合わない計算だが、夫婦で参加のケースがあるせいだろう。

 リストの番号は、親が胸から下げた番号札と紐づけられている。我が子の「お相手」として気になる人がいたら、会場内で同じ番号札の親に声をかければいい。番号が記載された席次表も用意されているため、○番の男性の親はテーブルCに座っている、○番の女性の親はああいう人か、そんなふうに様子を窺える。

プロフィールを見て「なんか、望み薄だよね……」

 前述したようにリストは親が事前に記入した参加申込書に基づいており、交流会開催の1週間前に主催業者から郵送されていた。つまり会場に来てはじめて目にするものではなく、「お相手」としてどういう男性、あるいは女性がいるのか、あらかじめ目星をつけておけるシステムだ。

 我が家の場合なら長男の「お相手」を探すわけだから、当然女性リストをチェックする。年齢や学歴、趣味、親から見た子どもの性格などの項目を見て、「○番の人がよさそうかな?」などと候補に挙げておく。むろん長男自身にもリストを提示し、了承を得た上での話だが、実際に目にした息子はふぅーっとため息交じりに言った。

「なんか、望み薄だよね……」

 いかにもつれない反応だが、そう感じるのも仕方ない。まずは女性側の職業や学歴、親から見た子どもの長所などが相当なものだ。