「なぜか結婚できないウチの子」に悩む親は多い。しかし、現在の30、40代がいかにして婚活に励んでいるか、その苦労を知らない親も多い。
ここでは、自身も2人の未婚の息子を持つ母親であり、長年家族問題を取材してきたジャーナリストの石川結貴さんによる『ウチの子の、結婚相手が見つからない! 親の代理婚活でわかった「結婚の壁」』(文藝春秋)より一部を抜粋。
結婚相談所で600万円以上を費やし「成婚退会」した44歳男性の、あまりにも悩ましい体験談をお届けする。(全4回の3回目/最初から読む)
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「成婚退会」した男性の悩ましい事情
「婚活って、いろんな条件が合うかどうかを考えるでしょう? 相手の年収や学歴、年齢や外見、性格とか趣味とかね。まずはそういうものを基準に選別するんですけど、実はその先にもっと大きな条件があるんじゃないかと。それは『この人を好きだと思えるかどうか』ってことです」
都内在住、流通系企業に勤務する武井基弘さん(仮名・44歳)は1年前、それまでつづけてきた一切の婚活に終止符を打った。35歳から42歳まで2ヵ所の結婚相談所で婚活し、マッチングアプリや街コン(街中にある飲食店などで、参加者同士が自由に交流する婚活)も利用した。7年間の婚活中、結婚相談所を通して見合いや仮交際(見合い後に相手と親しくなるためのデート)に進んだのはおよそ80人。42歳になって4歳年下の女性と真剣交際(結婚を視野に入れた1対1の交際)に進み、その3ヵ月後に「成婚退会」をした。
「成婚退会っていうのは入籍とか挙式とか、そういうものではないんです。男女双方で結婚しようかって話が出るとか、男性が女性にプロポーズするとか、要は結婚に向けて具体化したら成婚という扱いになります。僕が入会していた結婚相談所だけでなく、おそらくほかもそうだと思いますけど、その時点で結婚相談所に成婚料を支払い、自動退会になります」
武井さんは28万円の成婚料を支払い退会したが、結果的に正式な結婚に至らず破局した。その理由が「この人を好きだと思えるかどうか」、つまり相手への恋愛感情が持てなかったからだという。ならばなぜ好きになれない相手を選び、成婚退会したのだろうか。
