叔母からのひと言と「ブラックホーク・ダウン」がきっかけで軍隊への道へ

――アメリカに行ったのは2001年ですよね。アメリカ同時多発テロ事件の前ですか。

ジェレミー そのちょっと前です。新しい学校に通い始めて、2週間くらい経った頃にテロ事件が起きました。今でもその日のことはよく覚えています。理科の授業を受けていたんですが、教室のスピーカーから「テレビをつけてください!」とアナウンスが流れてきました。

 先生がテレビをつけると、ワールドトレードセンタービルから煙が立ち上っていて。「これは映画のワンシーンかな?」と思ったんですよ。でもテレビの説明は全部英語なので、うまく状況を把握できなくて。家に帰ったあと、叔母に説明してもらって、ようやく事態を理解できました。

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――当時のアメリカはどんな雰囲気だったんでしょうか。

ジェレミー テロで亡くなった方が3000人いるので、ほぼアメリカ全国民が「絶対許さないぞ」という気持ちでした。

――ジェレミーさんが軍人になろうと思ったのはいつ頃なんですか。

ジェレミー 高校生の頃ですね。うちの叔母は大学の教授だったので、ものすごく厳しく教育してくれたんですよ。僕は遊んでばかりいたんですけど、「あなたがアメリカに来たのは、遊ぶためではなく教育を受けて人の役に立つため。もっと周りのことを考えて、将来の仕事や進路を考えなさい」と言われて。それが心にズシンときました。

 また、武器や軍人への憧れも大きかったです。ソマリア内戦をテーマにした「ブラックホーク・ダウン」という映画があるんですが、仲間を見捨てずに戦う軍人の姿がものすごくかっこよかった。「軍隊に入ったら人のために仕事ができるな」と思うようになりました。

奨学金を得てミシガン工科大学に進学

――その後、どうやって軍隊に。

ジェレミー 僕の通っていた高校にはJROTCと呼ばれる、予備士官になるための教育課程があって、それを受けていました。高校を卒業したらすぐに軍隊に入ろうと思っていたんです。大学に進学する学費がありませんでしたし、学生ローンを借りてまで大学に行こうとは思わなくて。

 でも高校生の頃の成績はよかったんですよ。成績が悪いと門限を厳しくされたり、遊びを禁止されたりするので、勉強するようになったら成績がどんどん伸びたんです。

 進路を相談する時期に先生から「お前の成績だったら軍の奨学金が下りるかもしれない。大卒の資格を持って軍隊に入れば幹部になれるぞ」と言われて。授業料の全額免除と生活費の奨学金が下りて、ミシガン工科大学に進学しました。

――生活費の奨学金も下りるんですね……!

ジェレミー 当時のアメリカはイラク戦争の真っ最中でした。兵士を集めるために、国がどんどんお金を使っていたんです。とくに理系の人材は引く手あまたでした。軍用のヘリコプターや機械もハイテクですし、空軍のパイロットになるには理数系の資格も必要です。だからエンジニアや科学者が重宝されていました。