成長する「物語」

 77歳の誕生日にあたり、「読売新聞」は「皇后さま『復興 見守っていきたい』 きょう77歳」と題する記事を掲載し、写真説明として「皇居・御所の近くで、ハマギクを観賞される両陛下。14年前に訪れた岩手県大槌町に咲いていた花の種を取り寄せられた。5月、被災した同県沿岸をヘリから見た際は、同町の被害も気にかけられていたという(6日撮影)=宮内庁提供」と書いている(「読売新聞」2011年10月20日)。

「毎日新聞」も同じ写真を載せ「東日本大震災以前に岩手県大槌町から取り寄せた種から育ったハマギクを見る天皇、皇后両陛下=皇居・御所で6日(宮内庁提供)」と説明している(「毎日新聞」2011年10月20日)。

 毎年の誕生日の写真は宮内庁から提供され、その際、背景について詳しい説明を受ける。読売と毎日の写真説明はそれに従ったと思われ、「被害も気にかけられていたという」と「伝聞調」で書いているからには、「両陛下が気にかけられている」と宮内庁が説明したのであろう。

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 共同通信の配信では「誕生日に際しての写真は両陛下でその花を見ている場面も選ばれた」となっていて、写真が積極的に選ばれたものであることを物語っている。つまりこの「お話」は皇室側がアピールすることで記事化され、国民の元に届いたのだ。それが、5年後の「再訪」で再び記事にされ、「物語」はさらに成長した。

 もっとも私はこれらのことを批判的にばかり見ているわけでもない。