アメリカとイスラエルによるイランへの軍事攻撃を皮切りに、かつてないほど緊迫している中東情勢。ホルムズ海峡の事実上の封鎖を受け、日本が自衛隊を派遣するのか、国内外から注目されている。
日本は過去、湾岸戦争の停戦後に、ペルシャ湾に掃海部隊を派遣した歴史がある。報道カメラマンの不肖・宮嶋は、この派遣部隊に同行したカメラマンの一人である。あのとき、灼熱の甲板のうえで何を目撃したのか——。
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日米首脳会談は大成功だったのか
トランプ大統領との首脳会談に臨んだ高市早苗首相。外交の専門家・評論家は「自衛隊派遣をもちかけられなかった」という点を評価しているが、ちょっと能天気すぎひんか?
相手はアメリカ建国以来250年、もっとも気まぐれな大統領である。「日本が侵略されたらアメリカはお助けする義務があるけど、アメリカが攻撃されても日本はお助けせんでもええ」などという、軍事同盟の不平等さに気づいていないワケがない。
もし台湾有事が起きれば、その次の狙いは沖縄県の南西諸島かもしれん。その時が来て、あの気まぐれ大統領が「日米安保なんかもうやめた」と宣言すればどうなるか?
日本のエネルギー自給率は13%である。産油国のアメリカと比べれば、ペルシャ湾岸諸国の原油への依存度は比べものにならない。このままガソリンが値上がりし続け、やがて備蓄原油も底をついたら、日本は確実に死んでしまう。
その日本の大動脈といえるシーレーンに、自衛隊を派遣すべきか否か。そんな一刻を争う判断を、アメリカの顔色を窺う姿勢でいいのか。
いずれにせよ、停戦になれば法的制限はなくなり、機雷掃海のために自衛艦が派遣されることになるやろ。我が国の海上自衛隊の機雷掃海能力は、世界トップレベルである。
今こそ語るべき、35年前の自衛隊ペルシャ湾派遣
実際、1990年の湾岸戦争の後、自衛隊は「ガルフ・ドーン(湾岸の夜明け)作戦」と銘打ち、ペルシャ湾に実動部隊を派遣し、サダム・フセインがばらまいた機雷のうち34発を処分した。約100日間にも及ぶ間、ペルシャ湾内の船舶の安全航行を確保してきたのである。
その後、アフリカ東部・ジブチには自衛隊の海外拠点が設置され、護衛艦や哨戒機が展開。彼らはアデン湾の海賊退治に従事し、現在も、ペルシャ湾も含めた中東の情報収集活動に当たっているのである。
しかし……歴史は繰り返すものである。
今から36年前、サダム・フセイン率いるイラク軍が突如クウェートに侵攻して勃発した湾岸戦争。我が国は130億ドルもの資金を差し出すばかりで、多国籍軍に参加することはなかった。エネルギーのほとんどをこの湾岸諸国に頼りながら、国際社会から「小切手外交」とバカにされたのである。

