続いて刊行直後の4月11日、メイン州ポートランドの日刊紙「ポートランド・デイリー・プレス」は書評を掲載している。

ホートン・ミフリン社は、ラフカディオ・ヘルンによる日本と日本人についての驚くべき物語集を刊行した。読者はすでに彼の芸術における稀な技巧と、この上なく繊細な文学的職人技を期待することを学んでいる――しかも彼は同時に、日本を心から知っている。

“Kwaidan: Stories and Studies of Strange Things”, The Portland Daily Press, Portland, Me., April 11, 1904, Chronicling America, Library of Congress.)
(*筆者による日本語訳)

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さらに同記事はこう続ける。

本作は幽霊、妖精、精霊を扱っており、著者は超自然の領域に大胆に踏み込み、我々の想像力と空想を巧みに捉えた。ヘルンの仕事は唯一無二であり、丁寧に選び抜かれた美しい素材で織り上げられている。ヘルンの本は魅力的だ。(同上)
(*筆者による日本語訳)

「rare skill(稀な技巧)」「most delicate literary workmanship(この上なく繊細な文学的職人技)」「unique(唯一無二)」「charming(魅力的)」

これは、幼稚どころではない。絶賛の嵐である。

「幼稚」の評価は確認できない

そしてヘルン死去(9月26日)からわずか5日後の10月1日、ニューヨークの有力紙「ニューヨーク・トリビューン」は追悼書評を掲載した。見出しは「LAFCADIO HEARN――アメリカ文学における唯一無二の作家」である。

ヘルンは言葉において常に繊細な職人だった。ときに繊細すぎるほどに。彼の英語は時に過剰な洗練を帯び、何か病的な温室育ちの印象を与えることもあった。しかし散文作家として、また人種の謎を指で探る心理学者として、彼が残した最後の言葉はまだ研究されるべきだ。