「資さんうどん」や、意外なところではムスリム向けのすき焼き店「Suki-Ya」など外食企業の買収(M&A)に積極的なすかいらーくホールディングス(HD)。3月には「しんぱち食堂」の運営会社(しんぱち)の全株式を取得、M&Aでグル-プ入りすることを発表した。SNSでは「おっさんの胃袋わしづかみ」「すかいらーく、なかなか攻める」という声があがっている。
しんぱち食堂、どんな店?
地方にあまり出店していないので、しんぱち食堂をよく知らない方も多いだろう。簡潔に言うと「魚の干物や肉を炭火で焼き上げ、メシと汁とともに喰らう」といういたってシンプルな店だ。
ただ「炭火で魚を焼く」だけなら、「まいどおおきに食堂」「大戸屋」といった競合もある。そして、しんぱち食堂はこうした定食店に比べて選択肢がきわめて少なく、魚の揚げ物はないし、煮物もほぼ皆無。それでも圧倒的に客から選ばれており、すかいらーくHDは110億円の巨額を投じてまでもグループに迎え入れたいと考えたようだ。
まだごく一部地域にしか出店していないしんぱち食堂、何がスゴいのか? 焼きたての干物とメシ・汁・酒をカウンターでいただきながら、しんぱち食堂ブランドが持つ「3つの強み」について考えていこう。
魚とデカい飯、デカいみそ汁が特徴
しんぱち食堂の最大の強みは、とにかく魚の干物の種類が豊富なことにある。
定食メニューをちょっと数えただけでも「あじ開き」「さば文化干し」「さんま塩焼」「トロニシン」「あかうお干物」など。同じ魚種でも、いわしなら「3羽いわし」「殿様いわし」、鮭類に至っては「ハラス」「銀鮭塩焼き」「厚切り銀鮭塩焼き」「サーモン塩焼き」「サーモン西京漬け」と5種類もある。
さらに「半身」「1枚」といった量のチョイスを含めれば、魚定食の選択肢はざっと数十通り。肉系メニューも6種類と充実している。ランチでも1000円越えが当たり前のご時世に、バリエーション豊かかつ「デカいメシ(230グラム)」「デカいみそ汁」付きの定食が、最安値で700円台から頼めるとは……あまりにもコスパが良すぎるではないか!
2つ目の強みは、メニューをほぼ魚に“全振り”したが故の提供スピードだ。
炭火で魚を焼くには時間がかかり、店によっては20分以上待たされることも珍しくない。そもそも通常サイズの業務用炭火焼き台は、コンパクトで火力が弱いものが多く、注文がまとまって入ると提供スピードが遅くなりがちだ。
ところがしんぱち食堂では、巨大なあじ開きでも、10分足らずで焼き上がって提供される。


