「Sガスト」の失敗を乗り越えられるか

 すかいらーくHDがしんぱち食堂の買収を発表した時から噂されているのが、都心部への出店攻勢だ。

 しんぱち食堂は標準で15坪と、立ち食いそばや1000円カットサロンと大差ない広さでも出店できる。一方で資さんは頻繁に出汁を取って製麺するための広い厨房が必要であり、小さな面積での都心出店はまず無理だろう。

狭小物件を得意とするしんぱち食堂

 実はもともと、ガストは都心部進出のために別ブランド「Sガスト」を立ち上げ、都心の狭小物件(当時の資料によれば「最低15坪」)につぎつぎと出店していた。

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 しかし、ガストブランドを冠することからか利用者が長時間居座ることもあり、メニューも「ハンバーグ」「パスタ」などと、ガストと特に変わり映えしなかった。ただ狭いだけのガストのような立ち位置で消費者から選んでもらえなかったSガストはその後、2020年に姿を消した。

 その点、もともと狭小物件で戦っておりソロ客からの人気が高いしんぱち食堂なら、問題なく都心部にも出店できる。都心の狭小物件は、Sガストの存続断念からずっと、すかいらーくHDにとっての空白地帯。同グループにとって喉から手が出るほど欲しかったポジションのはずだ。だからこそすかいらーくHDは、しんぱち食堂全体で運営している店舗が現在108店でありながら「2030年までに300店」と強気に設定しているのだろう。

 果たして、すかいらーくHDにとって「Sガストのリベンジ」とも言えるしんぱち食堂の都心出店は上手くいくのか?

 2026年4月時点で、仕入れ値に響きそうな「魚のエサ」「漁船が使う原油」の値上がりも激しい。もともとそのコスパから注目を集めていたしんぱち食堂だが、近年は小刻みに値上げもしてきた。

 すかいらーくHDの傘下に入ったしんぱち食堂の課題は、まず低価格ゾーンに踏みとどまる=値上げしないことだろう。さっそく訪れそうな“イラン戦時インフレ”に対してしんぱち食堂、そしてすかいらーくHDがどう戦うのか注目だ。

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