原油価格はさらに50%上昇の可能性

 最大の焦点は原油価格への影響である。イランの原油積み出しの90%を担うカーグ島が破壊された場合、原油価格は1バレル100ドルから120ドルに跳ね上がる。さらにイランが報復として対岸のアラブ産油国の施設を攻撃すれば、150ドルまで上昇するとの市場の見通しもある。

齊藤氏の著書『イランは脅威か ホルムズ海峡の大国と日本外交』(岩波書店)

 実際、イスラエルがイランのサウスパース・ガス田関連施設を空爆したことを引き金に、イラン側はカタールの液化天然ガス施設やアブダビのガス田を攻撃した。齊藤氏は「トランプ大統領としてはやめてくれという話だ。ガソリンの値段が下がらないのだから」と指摘する。

どちらかの弾がなくなった時に

 ガソリン価格の高騰はブーメランとなってトランプ大統領自身に返ってくる。

ADVERTISEMENT

「トランプ大統領は今、本当に身動きが取れない。トランプ大統領はポーカー的戦略でブラフをかけているが、イランの合理的なチェスの方が今は優勢だ」

 

 齊藤氏はそう述べたうえで、最終的な落としどころについて「どちらかの弾がなくなった時」と語った。双方のミサイルや迎撃弾の在庫が減り続けるなか、短期的にはむしろ戦闘が激化する局面に入っているとの見方を示した。

最初から記事を読む 「イランはチェスを指し、トランプはポーカーをする」元イラン大使が語る"官僚国家"イランの「理系的な、極めて合理的な」本質《終戦シナリオは…》