K-POPファンがザワついた“噂”

「NCT TOKYOというグループがデビューするらしい」

 今から4年ほど前、そんな噂がK-POPファンの間で話題となった。そもそも「NCT」とは2016年に結成された「活動グループ、メンバー数に制限がない」 “無限拡張”をコンセプトに掲げて、複数の派生ユニットを展開してきた異色の大人数グループだ(※2023年に拡張計画の中止を発表)。その中から、日本を拠点としたユニットを準備中だという内容だった。同時に「NCT Hollywood」という北米向けユニット結成の噂も流れ、そのネーミングセンス(?)もあってか、当時NCTファンたちがザワついていたのを覚えている。

 その後SM社内のお家騒動と経営陣の交代等があり、自然消滅したかと思われたが「NCT TOKYO(仮)」の方だけは、違った形で具現化されたのだった。

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 その名は「NCT WISH」。日本人4名・韓国人2名の6人組ボーイズグループで、2024年の2月にデビューし、現在日本にとどまらず韓国でも絶大な人気を誇っている。もしかしたら日本国内よりも韓国での方が知名度が高いかもしれない。日本人が半数以上を占めるグループにおいて、かなり珍しい例だ。

2025年4月30日、ソウルスプリングフェスタ2025「The Wonder Show」でのNCT WISH ©Sipa USA/時事通信フォト

サバイバルオーディション番組によって開かれた、“ブラックボックス”

 SMは、K-POP業界の中でも頑なに「クローズドな育成システム」を守ってきた。独自のキャスティングシステムで発掘したスターの原石を、非公開の練習室で数年にわたり徹底的に磨き上げ、完成した状態で世に送り出す。一部の有望な練習生たちを「SMルーキーズ」と銘打って、自社イベントやSNS上などで公開することはあれど、実際にデビューできるのはほんの一部。その“ブラックボックス”とも言える育成プロセスが、「次はどんな凄い子が出てくるの?」とファンの期待を高める要素としても機能していた。

 そんな中でSMは2023年に新しい経営戦略「SM 3.0」を発表、第1弾として企画されたのが、“拡張停止”を宣言したNCTの最後のユニットを作るという、初の自社サバイバルオーディション番組「NCT Universe : LASTART」だ。そこからNCT WISHは誕生した。