韓国で“想定以上”の人気→異例の快挙を達成

「NCT TOKYO」ではなく「NCT WISH」という名前になって本当に良かった、というのは筆者の個人的な感想だ。韓国では“ウィシ”という呼び名で愛されており、ならって日本でも同じように呼ぶファンも多い。

 近年、韓国の芸能事務所はこぞって日本人メンバー中心のグループをデビューさせている。代表例がNiziUで、その後も日本のテレビ局と組んだオーディション番組を通じて認知度を上げ、日本のファンを獲得していくという流れは続く。

 一方、他国向けにローカライズされたグループが韓国国内で正当な評価と支持を得るには時間がかかるとされている。言語や流行の違いやデビュー前後の盛り上がりにタイムラグがあるし、他にも新人K-POPグループが雨後の筍のようにデビューし続けているからである。

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 ところが、NCT WISHはこの定説を、デビューと同時に覆してみせた。2024年3月デビュー曲「WISH」で早くも音楽番組で1位を獲得。日本人が過半数を占めるグループがデビュー曲でトップに立つ——これは、数年前のK-POP業界では考えられなかった“異例”である。さらに、2025年4月の「poppop」はミリオンセラーを記録し、韓国の全ての主要音楽番組で1位となる“グランドスラム”なる快挙を達成した。

平均身長は約175cm(NCT WISH公式Xより)

K-POPに触れてこなかった層をも熱狂させる

 最大の特徴は、これまでK-POPや韓国エンタメに触れてこなかった層をも熱狂させていることだ。オーディション番組を地上波放送したことで、彼らのひたむきな姿を“お茶の間”へ直接届けたことも大きかったのだろう。「清涼感」を打ち出したコンセプトも、Z世代から大人のファンまでを幅広く惹きつける要因だった。

 日本側から見れば「新たな韓国エンタメへの入り口」、韓国から見れば「魅力的な日本人アーティストとの幸福な出会い」。そんな双方向の橋渡しを成立させているのが、NCT WISHという存在だ。

 とりわけユウシの言動は、日韓の“橋渡し“を感じさせるだろう。ユウシのEXOへの憧れは冒頭でも触れたが、オーディション番組で憧れのメンバー・シウミンに会えた後、感激のあまり泣いてしまったのは名シーンとして記憶に残る。さらに“ロールモデル”(理想人物)に挙げているEXOのメインダンサー・カイとは2025年にYouTubeの番組「SELF-ON KODE」で初共演。言葉を詰まらせながらも真っ直ぐに想いを伝えるユウシの姿に心を打たれた視聴者も多かったはずだ。