アリサのインタビューを聞くと、いかにも20歳なZ世代ファッション、朗らかで快活な話し方の中に、驚くほどの成熟さが滲み出ていることに気づく。15年間のスケート人生、父親との葛藤、まだ子供だったアリサがその存在を知る由もなかったスケート界の「偉い人たち」による決定、そうしたことに気付いて人生をやり直す覚悟での引退、自分自身の模索、そして「もう引退はしない」と決めての復帰。通常の20歳がおよそ経験し得ない濃密な人生を歩んできた故だ。そのアリサは今、アスリートのメンタルヘルスについても語り始めている。

坂本花織、中井亜美と“自撮り”(アリサ・リュウのインスタグラムより)

ADHDの公表

 アリサは、自身のADHD(注意欠如・多動症)について明らかにしている。ホームスクールだった高校時代に145もの宿題を提出できていなかったことから診断を受け、ADHDとされた。

 しかしアリサは、自分のADHDをネガティブには捉えていない。今は演技に使う曲、振り付け、衣装のアイデアが溢れるほど湧いてくるが、一つのプログラムにまとめ上げるまでジグザグに迷走し、完成がギリギリになる。家族と呼べるほどの絆で繋がっているコーチと振り付け担当者はそんなアリサを理解し、アリサと共に葛藤する。

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 競技中にミスを犯した時でさえ、それを楽しめてしまうのはADHDゆえだとアリサは考えている。スポーツメディアESPNのインタビューで以下のように語っている。

「私はADHDで、予想外の状況が大好きなんです」

「ドーパミンがバーッと出るんです。ちょっとしたミスでも、それを乗り越えるのが好きなんです」

「競技でミスをするのは理想的ではないけれど、ミスをしてしまった後も脳内でドーパミンが分泌され続けて、『次はどうしよう? ここにコンビネーション・ジャンプを追加しなきゃ』って考えなきゃいけなかったんです。ちょっと楽しかったし、いい挑戦になりました」

©JMPA

 そして今、アリサ・リュウは日本とアメリカをツアー中だ。優勝を競い合う大会ではなく、おおらかに滑ることができるエキシビションだ。競技大会については、アリサはこうポストした。

「See yall next season!!」(みんな、来シーズンに会おうね!!)

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