――生まれた時は耳の穴もなかったそうですが、穴も手術で作ったのでしょうか。

山川 神経を傷つける恐れがあったので、穴を開けることはしませんでした。今は骨伝導式の補聴器で音を拾っています。

 

――もともと聴力自体はあって。

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山川 耳の穴は骨でふさがっているんですけど、中の神経自体は問題ないので、大きな声で耳元で喋ってもらえたら聞こえるくらいの聴力はあります。ただ、全部の音が一緒に入ってくるから、すごく聞き取りにくくて。

 実際どういう聞こえ方なのかと聞かれると説明が難しいんですけど、水の中にいるような状態だとよく言われますね。

――集団生活では大変だったのでは。

山川 教室だと、しゃべり声も椅子を引く音も全部一気に入ってくるので、友だちが話していても全然聞き取れなかったりして。言葉が文章として入ってこないというか、単語で入ってくる感じで、聞き取りが苦手ではあります。

 先生から「聞いてるようで聞いてないだろ」って怒られたことがあるんですけど、会話の中でわからないことがあってもいちいち聞き返すのもアレだなと思って、今でも雰囲気で聞き流してしまうことはよくあります。

――もうひとつの印象に残っている手術は?

山川 もうひとつは顎を前に出す手術ですね。これは手術の中で一番大変だったんですけど、顎が動かないように上下の歯を固定するので口が開けられなくて。でも、鼻の通りが狭くて普段から口呼吸の自分は口が開かないと呼吸がしにくいから、気管切開をしました。

 それでも呼吸が思うようにできなくて本当にしんどい手術でしたが、ガタガタだったかみ合わせがきれいになったことで食事もしやすくなりましたし、歯を出して笑うこともできるようになって、自信につながった手術です。

 

メイクや恋は自分で封印してしまっていた

――友達との関係で見た目が影響することもありましたか。

山川 中学生になると遊び場が近所の公園からショッピングモールとかになって。そうするとやっぱり、人の視線が自分に集まってしまうんですよね。

 一緒にショッピングをしてても周りから指をさされたり笑われたりするので、私と一緒にいると居心地が悪いんじゃないかとか、自分が楽しい雰囲気を壊しているんじゃないかとか、そういう悩みはありました。