スクールカーストの1軍だった被害者は…

「記録を見ると、15歳の高校生で、学校ではとても人気があり、スクールカーストの1軍に所属している。家庭でも小さなプリンセスといった感じで、両親は娘のどんな気まぐれでも許してしまうようなところがあったようだ。きょうだいもいるが、被害者が長女だった。とても魅力的な女の子だよ。

 被害者分析からすると、彼女の経歴や環境にリスキーなところはまったくなかった。女友だちとも仲良くしているし、学校の男子学生とも仲良くしているし、大人たちともうまくやっている。われわれの知るかぎり、不特定多数と性的関係を結んでもいなかった。同級生たちに言わせれば一種のじらし屋で、男の子をその気にさせながら、いよいよという場面になるといつもつれなくするそうだ。少々普通じゃない一面があるとすれば、まあ、カリフォルニアではけっして普通じゃないとは言えないが一般的な15歳の少女として普通じゃないのは、しばしばドラッグをやっていた点かな。

 マリファナも吸ってたし、相当酔っぱらうまでビールもよく飲んでいた。しょっちゅうというわけではなかったが、パーティーがあれば参加し、ビールを飲み、ジョイントを勧められればもちろんノーとは言わなかった。だが、カリフォルニアの高校生なら、これは普通じゃないとは言えない。とはいえ、彼女がそういう環境にあったのは確かだ」

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アンサブも“ボビーズ”の1人だったのか

「彼女を家に送った男、アーノルドか……そいつが事件に関わっていた可能性はないのか? 現場のそんなに近くにいながらアンサブ(注:[Unknown Subject]特定前の容疑者)のことをほとんど覚えていないのはかなり異例だ」レスラーが言った。

「とにかくビビッてたんだ。目の前で起きたことにすっかり圧倒されてしまったらしい」

「うーん、どうも納得できないな」

 レスラーが続ける。

「ひょっとして、アンサブは彼の知人だったんじゃないか? 知っている高校生だから、かばおうとしているとか」

「ちょっと待って」

 私はさえぎった。

「プロファイリングを始めるまえにはっきりさせておきたいことがある。被害者は人気者だと言ってたよね? それなら、入会ディナーについて訊けるような、すでにクラブに入っている友だちがいたんじゃない? その晩そんな会は開かれないって教えてもらえなかったのかな」

「いいところに気づいたな」

 ウォーカーがうなずいた。

「実際被害者は友人の1人に入会ディナーのことを尋ねたんだ。じつは“ボビーズ〞の会員であるその友だちは、ディナーのことを知らなかった。とはいえ被害者とその友人は、会が開かれる可能性はある、それが入会式かもしれない、私たちが知らないだけかも、と納得した。なにしろ、一種の秘密クラブなんだ。だから被害者は行くことにした」