これにエプスタインは次のように返信した。

「彼女は賢いね。君に過去の失敗(不倫相手に十分な愛情を示さなかったこと)の償いをさせようとしているのさ。『パパ(年上の男)なんて無視して、あたしはバイクの彼(若い男)と出かけるわ』ってことさ(だけど多分本気じゃないよ)。君の対応は悪くなかったと思うよ」

エプスタインに宛てた別のメールで、サマーズは「(僕は)彼女にすっかり夢中で、一緒にいられるなら多くのものを犠牲にするだろう」とのろけたかと思えば、その数分後に出したメールでは「『イエローぺリル(黄禍:この場合は東アジア系女性の蔑称)』と理性的な不倫関係を持てたら嬉しいね」と人種差別的で半ば意味不明な本音も漏らしている。

ADVERTISEMENT

妻への1600万円の寄付が致命傷になった

ちなみにサマーズの所属するハーバード大学は、2008年にエプスタインが性犯罪で有罪が確定した後、この男からの寄付を禁止した。ところが実際にはサマーズと彼の妻エリザ・ニュー、同大名誉教授のスティーヴン・コスリンをはじめ個々の研究者レベルではエプスタインとの関係が継続し、彼から寄付を受ける者も何人かいた。

サマーズは自身の妻で、ハーバードで英語学と詩を専門とする教授のエリザ・ニューが手掛ける、ドキュメンタリー番組や教育プロジェクトへの資金援助をエプスタインにメールで直接依頼したこともある。もちろんエプスタインはこれに快く応じ、約11万ドル(約1600万円)を彼女のために寄付した。

2025年までサマーズを何とか守ろうとしてきたハーバード大学も、これらの証拠が明るみに出てしまったことで、もはや世論の反発に抗し切れなくなった。さらに同大の学生や教職員、そして高額寄付者からの「性犯罪者から個人的な恩恵を受けていた人物が教壇に立つべきではない」という批判を受け、サマーズに対して内々に辞職を促したと見られる。

2026年2月25日、サマーズは「自身の過去の(誤った)判断が大学の名誉を傷つけた」として、ハーバード大学の教授職、そしてハーバード大学にわずか20人しかいない最高ランクの称号「チャールズ・W・エリオット大学教授」、さらにモサバー・ラーマニ企業政府センター共同所長などハーバード大学関連の役職全てを辞職すると発表した。