政権を揺るがした「道連れ辞任」

ちなみに、彼を駐米大使に任命したイギリスのスターマー首相は、自身の任命責任と判断ミスを巡って政権発足以来、最大の危機に直面している。保守党などの野党はもちろん、本来身内であるスコットランド労働党のアナス・サワール代表までもが、「ダウニング街(首相官邸)の主(あるじ)は交代しなければならない」と述べるなど、公然と首相を非難した。

スターマー首相は議会で「マンデルソンの嘘を信じてしまった」と釈明したが、議員たちからは「公然の秘密であったエプスタインとの関係を見過ごしたと言うのは変だ」という当然の批判を浴びている。既に、マンデルソンの任命を首相に進言した主席補佐官、そして官邸の広報担当者が責任をとって辞任した。本書執筆時点で首相の進退は確定していない。

当のマンデルソンは長年「エプスタインとはただの知り合いだ」とシラを切り続けてきたが、2026年1月に公開されたエプスタイン文書で違法行為の動かぬ証拠が突き付けられた。マンデルソンが閣僚だった時代に、政府内部の経済政策や金融危機の対応策に関する情報をメールでエプスタインに送っていたのである。

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エプスタイン文書に載った「ブリーフ姿」

また2009年にエプスタインと面会した際、マンデルソンは当時の英国政府による銀行救済案や税制変更に関する内部情報を彼に漏らした疑いがある。この訪問後、彼はエプスタインに「君の顔が見られて良かった。早く釈放されるよう戦え」というメールも送っている。

こうした政治家としての汚職行為が糾弾される一方で、プライベートなスキャンダルもエプスタイン文書によって白日の下に晒された。2026年1月に開示された文書には、マンデルソンが下着姿で撮影された写真が含まれており、イギリス社会に衝撃が広がった。

報道機関の分析により、この写真はエプスタインがパリに所有する豪華マンション内で撮影されたことが判明した。そこには白いブリーフ姿のマンデルソンが、顔が黒塗りされた正体不明の女性と向かい合う姿が撮影されている。