稀代の性犯罪者エプスタインとの関係に深入りしたことによって、サマーズの輝かしいキャリアは完全に汚され、破壊されて終わった。

「イギリス政界の不死鳥」も大ダメージ

かつて英国政界の「闇のフィクサー」として強大な権力を振るい、男爵の称号さえ持つピーター・マンデルソンも、エプスタイン文書によって人生を粉砕された大物政治家の一人だろう。

彼は1953年10月、英国ロンドンに生まれた。祖父は労働党の重鎮ハーバート・モリソンなど政治家一家の出身である。

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マンデルソンはかつて英国首相トニー・ブレアの側近として労働党を「ニュー・レイバー(社会主義から中道路線への転換)」へと改革した立役者である。通商産業相、北アイルランド相、欧州委員などを歴任。直近では、2024年12月に英国のキア・スターマー首相から駐米大使に指名され、翌2025年2月に就任した。

カリブ海に浮かぶ「ペドフィリ島」の常連

彼はメディアを操ることが得意で、「スピン・ドクター(情報操作の達人)」などと呼ばれた。その冷徹な立ち回りから「暗黒の王子」という異名をとった。過去に2度、住宅ローンなどを巡る自身の不祥事から閣僚を辞任したが、その都度不死鳥のように復活し、「イギリス政界随一のしぶとい男」として知られていた。

マンデルソンは2000年頃、(イギリス政界にパイプのある)マクスウェルを通じてエプスタインと知り合ったと見られる。その後、エプスタインの所有するパリの豪邸やカリブ海の私有島(ペドフィリ島)に頻繁に滞在し、自らの権力を誇示する場として利用した。

またエプスタインが太いパイプを持つアメリカの富裕層やシリコンバレーの人脈を、自身の政治的影響力の拡大に利用しようとした。

マンデルソンはエプスタインが2008年に有罪が確定した後も、彼を自身のパーティに招待した。さらに自身が大臣(ビジネス・イノベーション・技能相)時代の2009年、当時ワークリリースで自らのオフィスで服役中のエプスタインを訪問して激励するなど、両者は異常に親密な関係であった。これらが明るみに出て、2025年9月11日に駐米イギリス大使の職を更迭された。