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「神と交信中です。邪魔すると悪霊が暴れ出します」
彼女の眼は真剣で、その口調は疑いを挟む余地を与えない。
「西田さんには悪い霊や波動が実際に見えるんですか?」
「感じるんです。あなたにも悪い霊がついているのがわかりますよ。除霊が必要です。刃物で波動のつながりを断ち切らないといけませんから、あなたからも包丁を隠さないように母に言ってください」
母親があわてて話に割り込む。
「この子は除霊と言って、包丁やハサミを私たちの顔の前で振り回すんです。怖くて怖くて」
「刃物がないと除霊ができないでしょ」
母親がまた彼女の発言を諌めようとするが、西田さんは突然席を立ち、両手で“見えない刀”を構え、母親の頭上でシャッシャッとお祓いの動作を始めた。神社で祈禱師が御幣を振りかざすようにしながら、ぶつぶつ祝詞めいた言葉を唱え続けている。
「西田さん」と私が呼びかけると、「静かにしてください。神と交信中です。邪魔すると悪霊が暴れ出します」と横やりを許さない。
