入院患者が別の患者の太ももを揉むセクハラ事件が発生。被害者のショックを心配した精神科医だったが、明かされたのは思わず絶句する「意外なオチ」だった。
精神科医・駒木爽氏の新刊『精神科医おどおど日記——閉鎖病棟24時、本日当直、あらゆる精神疾患寝ずに診ます』(三五館シンシャ)より一部抜粋してお届けする。なお、プライバシー保護のため登場人物の名前は仮名、一部のエピソードに脚色を加えている。(全2回の2回目/最初から読む)
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投薬でセクハラは抑制できたが⋯
「怒ってるっていうか、面食らってましたよ。驚いて私にそっと報告してくれました」
病棟では症状の違う患者が一緒に生活しており、注意が必要だ。なにげない行動も精神状態に影響を与えることがある。私は被害者が気になった。
「その患者さん、ショックとか受けていませんかね」
「そんなに気にしてないと思いますけどね。あっ、あの方です」
山本さんが指さした先、ナースステーション横の廊下を50代くらいのぽっちゃりした男性が猫背気味に歩いている。
「関口さん、もともと両方イケる口なのか、それとも男女の区別も曖昧になるほど認知機能が低下しているのか⋯⋯」
そうつぶやくと、間髪いれず山本さんが言う。
