「なぜあの時、負けたのか」。森保一監督は、過去の日本代表がW杯で敗れた全試合を見返し、勝つための分析を積み重ねてきた――そう語るのは盟友・武田修宏氏。その徹底した準備こそが、今のチームの強さであるという。
専門家を置いて信頼して任せる「分業制」や、最新データを用いた戦略など、進化し続ける森保流マネジメント。どんな状況でも慌てず、用意周到に準備する指揮官の覚悟と、勝利へのプランとは。武田氏に話を聞いた。(全3回の3回目/1回目から読む)
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チームをより強くするための森保流マネジメントとは?
――今回のW杯、森保監督がどんな分析をしているのか、話を聞いたことはありますか。
武田 先日、森保監督と対談した時、対戦相手の分析はもちろん、今までのW杯の歴史のなかで日本が負けた試合は全部見て、なぜ負けたのかを分析したと言っていた。勝つために準備を怠らないのは、彼らしいところだよね。
――チームは分析スタッフとコーチングスタッフが増えていますね。
武田 たぶん、最初は全部、自分が見て指導していたんだと思う。でも、それではひとつひとつの指導の質が落ちて、細部まで選手に伝わらない。だから守備は齊藤(俊秀)コーチ、攻撃は名波(浩)コーチ、セットプレーは前田(遼一)コーチを入れて、役割を明確にして、濃い指導ができるように体制を整えた。
今回、(中村)俊輔さんを呼んだじゃないですか。対談の時に「どういう役割にするのかな?」って聞いたら「FKやPKの分析などを手伝ってもらう」と。
マンチェスターユナイテッドはコーチが10人いて、それぞれ役割分担して仕事をするんだけど、森保監督も得意分野や経験のあるコーチとの分業によって、選手へのアプローチの質を上げているのかなと思います。
――そのなかでの森保監督はどういう役割を果たすことになるのですか。
武田 森保監督は、各コーチと話し合いをして、選手の状況やチーム戦術の確認を進め、最終的な意思決定をする。その上で、チームがひとつになって同じ方向を向くように舵取りをしている。
どうしたらチームが強くなるのか、どうしたら若手が融合していくのかを考えてマネジメントしながら、うまくチームをまとめていると思いますね。

