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毎晩濃い目のハイボールを5、6杯、週末になると10杯以上飲んだ。10杯を超えると、思考はドロドロに溶け、暗闇に沈んでいく。
仕事を終えて、誰もいない部屋に戻ると、早くあの状態にたどり着きたいと望むようになっていた。じつはアルコール依存症の男性には離婚経験者が多い。男は寂しさを酒で紛らわすのだ。
酒とともに依存した「マッチングアプリ」
酒とともに依存したものがある。当時流行り出したマッチングアプリだ。
離婚の傷を埋めるには恋愛しかない、私はそう考えた。酒を飲むかたわら、マッチングアプリに登録して、新しい恋人を探した。
アプリに登録すると、すぐにケータイの通知が鳴り止まなくなった。「医師」という肩書きを入力すれば、この世界では引く手あまただということも知った。
学生時代モテない陰キャだった私に、女性からのアプローチが絶えない。離婚して以来、死んでいた自分の価値がデジタルの世界で急上昇していく。
自宅のソファで酒を飲みながら、画面に並ぶ見知らぬ女性たちのプロフィール写真をスッスッと指で弾いていく。酒量が増えるのと並行してアプリを開く頻度も異常なものになった。病院の休憩室、トイレの中でさえ、ポケットの中の振動が気になって仕方ない。