「みなさんが祝ってくれてるよ」「本当にありがたいねえ」

桃子 亡くなったことは5月15日に公表しました。私は「婦人公論」で「うちのばあさん102歳」というコミック&エッセイを連載していて、祖母が「ホームに入居中」となっている。それだと噓になってしまうので、発売日に公表することにしました。

 あわせて響子さんと桃子さん連名のコメントも発表された。〈最後まで多くの方に声援を頂いた102年でした。(略)「本当にありがたいねえ」本人の最後の言葉です。心より感謝申し上げます〉と締めくくられている。

響子 去年の11月、母の102歳の誕生日に施設の職員さんや入居者の方々が祝ってくださり、また祝福のファンレターも届いていたから私が「みなさんが祝ってくれてるよ」と言ったんです。そしたら「本当にありがたいねえ」って。これは母の読者への最後の言葉だから、どうしてもお伝えしなくてはと思ったんです。

童女のような顔で「なあに?」と

桃子 亡くなる1週間前あたりから、祖母はどんどん弱っていきました。血圧が低くなっているという連絡より前、施設を訪ねた母が少し落ちこんだ様子で帰ってきたんです。「おばあちゃん、虚空を見つめて、口きかなかった」と言ってました。

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響子 突然、どこともなく指をさしたりして、かと思ったらパンパンと手拍子を。またどこかを指でさす。そんな様子だったんです。

桃子 その日に発した言葉が「痛い」と、あと何だっけ?

響子 「なあに」だね。母はベッドにいて、足は床に下ろしていました。それに気づかず踏んでしまったら、「痛い」って。「ごめんごめん」と謝って、「今日は『痛い』しか聞いてないよ」と私が笑って、夫も笑いました。何か愉快なことが起こったことはわかったんですね、母が「なあに?」と言って笑ったんです。

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 他にも、認知症によって佐藤愛子さんに起こった変化、娘・響子さんに残った罪の意識…などが語られた記事全文は『週刊文春WOMAN 2026夏号』で読むことができます。

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