2/5ページ目
この記事を1ページ目から読む
さらに現場周辺で不審者の目撃情報がなかったか聞き込んでいたところ、元町小学校の近所に住んでいる男性から着目すべき証言が得られた。
なんでも、事件当日の午後、友人の坂巻修吉(同20歳)という男が家を訪ねてきたのだが、いかにも挙動がおかしく、会話は成立せず、洗面所でしきりに手を洗っていたという。
こうした状況から警察は坂巻を容疑者として取り調べ自供を得る。
事件はなぜ起きた
事件から10日後の4月29日のことだ。
坂巻は1935年、青果問屋を営む比較的裕福な家庭に生まれた。ただ、派手好きな母親が外に愛人を作り、それが原因で両親は常に言い争っていた。成長した坂巻はやがて母親に激しい憎悪を抱くようになる。
小学校高学年期、日本は戦争末期で、米軍の空襲から逃れるため学童疎開へ。終戦で東京に戻ったころは勉強に対する意欲を失っており、しだいに不良グループの溜まり場に顔を出し始める。
それを心配した父親は息子を栃木県の中学に入れるが、この栃木の下宿先にも母親が愛人を連れてきたことで関係はさらに悪化。人格が荒み、傷害や暴行事件を起こして捕まり保護観察処分を受ける。
その後、両親は離婚。