感覚と知識でもっと楽しむ!

 いつもは名画を構図や作家の人生などから紐解き、「この絵を見てみたい!」と思わせてくれる秋田麻早子さん。今回は特別編として、俳人・歌人・詩人で翻訳・評論も行う文芸家の堀田季何さんと、絵画・俳句の楽しみ方について語り合います。

 なぜ「絵画×俳句」?

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 どちらも芸術作品、意外と通じ合う部分があるんです!

(左から)堀田季何、秋田麻早子

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ゴッホ《夜のカフェテラス》の楽しみ方

秋田 今、上野の森美術館にゴッホの《夜のカフェテラス》が来ていますが、たとえばこの作品を、季何さんなら展覧会でどんな風に楽しみますか?

堀田 私の場合、展覧会ではひとつの作品をじっくり鑑賞するというより、ほかの作品と見比べて楽しむことが多いですね。《夜のカフェテラス》なら、ゴッホの他の作品や同時代の作家の作品と比べ、どこがどう違うのかを観察し、作品同士の関係性を考えます。

秋田 複数の作品を見比べられるのは展覧会ならでは。ゴッホはフランスの印象派に出会って以降《ひまわり》などの色鮮やかな絵を描くようになりました。印象派の絵画と見比べて、ゴッホがどこに影響を受けたのかを自分なりに見つけてみるのも楽しそう。

フィンセント・ファン・ゴッホ「夜のカフェテラス」 1888年 油彩・カンヴァス クレラー=ミュラー美術館蔵

堀田 秋田さんはどう鑑賞しますか?

秋田 私は普段、構図や配色などについて執筆しているせいか、展覧会でも絵を一点一点、分析的に見ているように思われがちなのですが、実際はそんなことはないんです。「わー、ゴッホだ! すごい綺麗!」などと、純粋に作品を浴びて楽しんでしまう。展覧会では、案外フワッと見ちゃうときも多いんです。

堀田 作品の分析は、図録でも十分にできますからね。

秋田 そう。なので展覧会で作品を見るときには、印刷物ではよくわからない部分に注目します。たとえば絵の大きさや絵具層の厚み、油絵具のテカリ具合、実際の色のニュアンスなど。

 また、絵の並び順にも注目します。「どうしてこの絵の横にこの絵が?」などと考えると、見えてくるものがあって面白い。

この並び順じゃないと得られなかった体感

堀田 最近絵の並び順に唸った展覧会はありますか?

秋田 今年の初めに岡山県立美術館で開催されていた「美と祈り」展がすごくよかったですね。この展覧会では、16世紀から17世紀の聖母子像や踏絵などから始まり、青木繁の旧約聖書の挿絵、和田三造の「イエス・キリスト聖画集」などが続いて「祈りとかたち―美に宿る精神」という章に繋がっていたのですが、その章に村上友晴(1938―)の《無題》がありました。本作は画面全体が黒で覆われた抽象画で、一見、何が表現されているかはわからないんです。