新人作家への超実践的アドバイス

額賀 今日、森山さんと対談するなら絶対に言おうと思っていたことがあるんです。石田衣良さんが清張賞の選考委員をされていたときにいただいたアドバイスなんですけど。

森山 え、なんでしょう!?

額賀 まず「図々しくいなさい」ということ。デビューしたての作家は控えめになりがちだけど、それだと「いい人」で終わってしまい仕事はもらえない。「やりたいこと、興味があること、会いたい人がいたら、常識の範囲で積極的に言ったほうがいいよ」と。編集者と打ち合わせがてら食事をするときも、どんどん食べたいものを食べた方がいいですよ! デザートも遠慮なく!

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 もうひとつは、兼業作家が本業を辞める時期について。「いつか専業になろうと思うなら、きちんと期限を決めなさい」と。「3年作家を続けられたら」とか「何冊本を出せたら」というように最初に決めて、それが達成できるまでは仕事を辞めるか辞めないか悩まないようにする。一回悩み出すと、あれこれ考えてしまい時間が無駄になるから、先に条件を決めてしまって達成したときに辞めるか、あるいは事情が変わったから続けるかを判断するほうが絶対にいい。

 

森山 具体的で説得力がありますね。

額賀 私もその通りにしたんです。石田さんに「じゃあ、額賀さんはいつ辞めるの?」と聞かれたので「5冊出したら辞めます」と答えて、それまでは悩まないと決めました。いつか専業にと考えている兼業作家さんがいたら、先に目標を決めておいたほうが余計なストレスがないと思います。そして、石田さんと同じく松本清張賞の選考委員をされていた米澤穂信さんの「短編は先のことを考えて書こう」というアドバイスもすごく重要です。

森山 「先のことを考えて」って、どういうことですか?