その時に、おじいちゃんとおばあちゃんに預けられていた時の寂しさとかを全部言葉にしてくれたんです。病気の子のきょうだいたちは、優里南と同じように今もどこかで大変な思いをしているんだなって。それで、「これはすぐにでも始めなきゃ」と思いました。

 以前から知っていた「NPO法人 こどものちから」さんのところへ相談に行き、運営のノウハウを学びました。そこから、市に掛け合って公民館を借りて、きょうだい支援の遊び場づくりをスタートさせました。

「闘病や死別の体験を誰かの役に…」なぜ悲しみを抱えながら熱心に活動できたのか?

――このボランティアは、今も続けていらっしゃるんですね。

ADVERTISEMENT

佑太 今は「ヤマアソビKIDSCLUB」が不定期開催、「昼あそび会」は月に1回、土日のどちらかに渋川市北橘公民館で開催しています。

 だんだん認知してもらえて、今では無償で公民館を借りて4年が経ちました。子ども食堂の役割もしていて、子どもたちは無料でお昼ごはんを食べられます。

――熱心に活動をし続けるのは、すごくエネルギーがいることだと思います。悲しみを紛らわす意味もあったのでしょうか。

佑太 悲しみを紛らわすというより、あの辛かった闘病や死別を誰かの役に立てることで、自分を癒している感じですね。

青木麻純さん(以下、麻純) 私は彼とは違って、一馬が亡くなった直後は本当に自分のことでいっぱいいっぱいでした。外に向けて何かを発信するとか、そんな考えは及ばなかったです。でも、息子の闘病中にいろんな方にお世話になったから、「今頑張っている人たちに何か恩返しがしたい」という気持ちはすごくありました。

©石川啓次/文藝春秋

付き添い家族に温かい食事を届けるキッチンカーが始動するまで

――そして2022年10月、付き添い家族へ温かい食事を届けるキッチンカー「fufufu-soup」が始動します。そのきっかけは?

麻純 もともとは私が、X(旧Twitter)で、小児病院へキッチンカーを手配している「NPO法人 キープ・スマイリング」の記事を目にしたことから始まりました。「群馬でもこれをやりたい!」と、その団体に連絡を取ると、親身に相談に乗ってくださり、トントン拍子で話が進みました。