精神を患う妻との不条理な生活

 康祐と朋美は2002年、6年の交際を経て結婚した。出会いは飲み会の場で、酒好きの2人はすぐに意気投合し、ほどなくして男女の仲になった。

 結婚の数か月前――。朋美が急に「自分はワキガだ」と言い出したことが、すべての始まりだった。異臭はなく、医者からもそうではないと診断されたのにもかかわらず、朋美はそうだとして譲らなかった。被害妄想なのは明らかでありながら、ついには臭いの元となるアポクリン腺を切除する手術までしたのだった。

「それで満足せずに、『自分は何かしらの精神病を持っている』って言い出し、今度はドクターショッピングを始めたんですよ」

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 ドクターショッピングとは、診断結果に納得がいかず、医療機関を次々と変えて受診する行為のことである。自分の納得のいく診断結果が得られる反面、病気の本当の原因が見逃されてしまったり、誤診が下されるなどのリスクがある。

 朋美は複数の精神科をはしごした。そして納得のいく診断が下された精神科に通院し始めた。