「実は別の障害だったんです」

「診断結果は統合失調症。障害者手帳の等級は2級です。朋美はインターネットでアレコレ調べていたらしく、自分が統合失調症だと決めつけていたようなんです」

 後にオラクルカードに傾倒して娘を絞殺する現実を説明するためには、朋美が患う精神疾患について詳しく知る必要があるだろう。

 思考がまとまらなくなる病気、統合失調症。健康なときにはなかった状態が表れる陽性症状(妄想、幻覚、思考障害)と、健康なときにあったものが失われる陰性症状(感情の平板化、思考の貧困、意欲の欠如、自閉、記憶力の低下、注意集中力の低下、判断力の低下)があり、当事者の気分や行動、人間関係などに影響が出るとされている。

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 康祐は朋美の精神疾患について「実は別の障害だったんです」と語った。地検は朋美の刑事責任能力を調べるための鑑定留置――精神鑑定を実施した。そのなかで、統合失調症ではなく「妄想性障害」だと明らかになった。それを康祐が知ったのは、裁判を傍聴するなかでのことだった。

 妄想性障害は統合失調症と似ているが、幻聴や幻覚は強くはない。しかし、事実ではないことを「確信」してしまう、「妄想」が長く続いてしまう、という特徴がある。

 日常生活に大きな支障はなく、普段はあまり目立たないが、妄想を確信するにあたり社会や結婚生活上などで問題が起こる。